【エッセイ】鬼の枷
今年度を振り返ってみて、仕事に打ち込むことが難しい一年だったなと思う。
杞憂に終わったが、転職をせざるを得ない懸念があったし、自主研究の勉強もあって、仕事とプライベートの境界が曖昧で、たまらなく疲弊していた。
いつか辞めると思いながら仕事を続けても、打ち込めるわけがなかった。
私が損切りをミスしたせいでずっとジリ貧で、首が回らない状況に陥っていたのだ。
それまで沢山の、本当に沢山のものを犠牲にしてきた。
昨年の冬にやっとこさ枷が外れてからというもの、それまでうまくいっていなかったことがすべて順調に回りだした。
思いもしないような好機に恵まれて、大学院にも行けるようになった。
やはり停滞や滞留は性に合わないのだ。
タイトルの「鬼の枷」は、私の好きな「夜桜四重奏」という漫画に由来する。
春が来ると読みたくなる漫画の代名詞だ。
見た目は普通の人なのだが、鬼の血をひくために怪力で、普段はあまりある力を抑えるために枷を付けているキャラクターが出てくる。
私にとっての枷はもう壊れてしまったので、後はありのままいるだけだ。
今年度は、仕事でもプライベートでも、私が私らしくいることに全力投球したい。
誰かのために自分を投げ出したところで、自分が損をするだけなのだ。
誰かを幸せにするために、まず自分が幸せでいたいと思う。
今週のお題「投げたいもの・打ちたいもの」