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【エッセイ】掛け算が苦手

横浜のみなと

 

 私は小学二年生のころ、算数につまづいた。

 掛け算ができなかったからだ。

 最近その理由に気が付いたので、ここにメモしておこうと思う。

 掛け算ができなかった理由は、数字を「ものを数えるための文字」として認識していたためだ。

 具体的には、「りんごが2個あります。」は理解ができたが、「りんごが2個あります。2倍になると何個ですか。」のときに「2倍」にかかっている「2」が何を数えているかわからなかったのだ。

 接頭語のつかない「倍」は、その直前に話していたものが2つあることを意味していると理解していた。

 というかそもそも、「10個」の何かにたいして、おなじものが10個加わった時、20個になる時点で倍という概念を説明しておくべきだと思う。

 そういった認識も相まって、掛け算が難しかったのだろう。

 小学一年生のときに「n個」として扱う目に見える数と小学二年生の時に「n倍」として扱う目に見えない数とでは理解のむずかしさに大きな違いがあると思ったのだった。